糖尿病内科

徳島県は、
糖尿病に関連した死亡が
全国ワーストクラスの
糖尿病大国です

数十年来、徳島県は人口あたりの糖尿病による死亡数が全国でも非常に多い県の一つと言われていました。残念ながら令和6年の報道でも死亡率が過去最高値を更新し、青森県に次ぐ第二位と全国上位の常連であることは変わりない状況が続いています。

糖尿病は生活習慣病の中でも代表的なもので、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こすとともに、失明や腎不全などの原因ともなる重大な疾患です。当院は昭和63年から循環器病の患者さまの治療を担ってきましたが、その患者さまの半数以上に糖尿病の合併を認めるようになってきました。そこで平成16年2月1日より、より専門的な糖尿病管理を目指して専門外来を開設、診療を継続しております。
診療日は、火曜日から金曜日で全て時間予約制です。糖尿病関連検査・食事指導・運動指導・日常生活指導などは来院された当日行えるよう準備しています。

外来診療日時

糖尿病内科

午前  9:00 〜 12:00 -
午後 14:30 〜 17:30 - 16:00まで - -

ぽんぽこ祭り ~健康で歩こう~ 毎年開催中!

当院では地域の健康づくりを目指し、毎年「ぽんぽこ祭り」を開催しています。歩こう会や講演会、健康測定、医療・栄養相談ブースなど、多彩なプログラムを通じて地域住民の健康意識向上に取り組んでいます。

糖尿病について

糖尿病といわれた患者さまに

風邪は万病のもと、糖尿病は億万病のもと

心筋梗塞、脳梗塞、腎臓病、眼底出血、手足のしびれ、神経病・・・数々の合併症が糖尿病で起きています。まさしく糖尿病こそは億万病のもとといえます。

糖尿病は血管の病気

糖尿病による血糖の高い状態は、直接血管を痛め、血管を硬くしたり、つまらせたりして、いろいろな合併症を引き起こします。糖尿病は血管の病気なのです。

糖尿病は生活習慣病

糖尿病は、高血圧や高脂血症とともに食事や運動と深く関わった生活習慣病です。そのため、治療の基本は毎日の生活習慣を変えていくことから始まります。

定期検査の重要性

糖尿病は、それだけでは自覚症状がありません。症状がでるのは合併症が起きたときです。そのため、血液、尿、心電図、眼科検査など定期検査が欠かせません。

糖尿病は怖くない

糖尿病で命に関わるのは、合併症の進み具合によります。きちんと血糖を管理すれば、健康人と変わらない生活が送れます。

糖尿病外来ってどんなところ?

糖尿病の患者さまの食事、運動、またお薬について、一人一人の血糖コントロールの状態や、ライフスタイルに応じた指導やアドバイスを行っている場所です。診察の際には、毎回次のような検査をさせていただきますので、ご協力よろしくお願いします。

血圧測定

高血糖が続くと血圧は、上昇しやすくなります。 合併症の早期発見や毎日の健康状態のチェックには 欠かせません。 正常は、最高血圧/130mmHg未満、最低血圧/85mmHg未満、 糖尿病の方は、それぞれ125、75mmHg未満を目標にします。

検尿

検尿では、尿中に糖・タンパク・尿中ケトン体が出ているかどうかを調べています。それによって糖尿病の状態や進み具合・血糖のコントロールを判定するのに役立てています。

体重測定

体重測定を毎回行います。
/定期的な体重測定は、食事療法がうまくいっているかどうかの判断に役立ち、血糖コントロールの状態を知る上で大切な意味を持っています。
※自分の標準体重を知りましょう。標準体重=(身長m)²×22

血糖測定

血糖とは、血液中にあるブドウ糖のことです。健康な人では、空腹とか食後に関係なく一定の範囲内に保たれています。その動きをするのがインスリンです。(空腹時 120mg/dL未満、食後2時間後 160mg/dL未満を目標とします)

グリコヘモグロビン(HbAIc)

過去1~2ヶ月の血糖値の平均がわかります。
定期検査での血糖値が高くなくても、HbAIcが高ければ血糖コントロールがうまくいっているとは言えません。
1回/月 採血します。結果は、同日診察の際にお話します。
(正常は4.3~5.8%、糖尿病の方は6.5%未満を目標にします)

糖尿病 食事のポイント

■栄養バランスのとれた食事

食事療法は、インスリン注射をしている人も、血糖降下剤を飲んでいる人でも、誰でも必ず行わなければならない基本的な治療です。 指示エネルギー内で栄養バランスのとれた食事を行いましょう。

  • 1. 決められた量(指示エネルギー)を守りましょう。
  • 2. 毎食、バランスの取れた食事をとり、1日3食、規則正しく食べましょう。
  • 3. 外食は、控え目にして、糖分・塩分を控え、薄味に慣れましょう。
  • 4. 食事は、満腹感が出るようにゆっくり噛んで食べましょう。
  • 5. 定期的に体重のチェックをして、太っている人は、標準体重まで痩せましょう。
  • 6. 間食・アルコールは医師と相談してからにしましょう。
  • 7. 定期的に体重のチェックをして、標準体重を目指しましょう。
  • 8. 間食・アルコールは医師と相談してからにしましょう。

糖尿病の食事は、自分の好みで食品を選んでいると栄養的に欠陥のある食事になりかねません。栄養的にバランスの取れた食事を一緒に考えましょう。

■合併症の食事のポイント

高血圧症の合併

糖尿病食を守り、1日6g未満に塩分制限する事が重要なポイントになります。まず、日常使用している調味料を半分に減らす事から始めましょう。動脈硬化を引き起こしやすいので、動物性の脂肪を取り過ぎないように注意しましょう。

動脈硬化症の合併

血液中の脂肪(コレステロール、トリグリセライド)の増加と密接な関係があります。コレステロールの多い食品(動物性脂肪)、トリグリセライドを増加させる食品(砂糖、お菓子)を控え、禁酒・禁煙をしましょう。

腎症の合併

蛋白質の分解産物が尿中に排泄できなくなって、血液中に貯まってしまいます。
腎臓の負担を軽くするために、蛋白質の制限が必要になります。交換表を利用しましょう。

糖尿病教室が目指すもの

碩心館病院糖尿病教室代表  藤本卓

メジャーになった糖尿病からの心臓病

狭心症や心筋梗塞などを引き起こす危険因子は、30年前から高血圧・高脂血症・喫煙が3大危険因子、加齢と家族歴を加えて5大危険因子といわれていました。ところが、20年ほど前から糖尿病患者に冠動脈疾患が多いという臨床試験の発表が相次ぎ、糖尿病は3大因子に並ぶ危険因子であると認誠されてきました。高血圧や高脂血症には良く効く薬が開発され、喫煙には禁煙でいいのですが、糖尿病は食生活や運動習慣などの個人差、合併症の有無など難しい条件が多く、最も手ごわい危険因子です。

糖尿病とその予備軍1600万人の心臓が危ない

糖尿病の3大合併症として眼・神経・腎臓を守ろうという治療は古くから行われてきました。しかし、先に述べたように糖尿病患者の寿命を定めるのは、心臓血管疾患です。特に日本人は、糖尿病患者の増加が著しく、心筋梗塞患者の40%に糖尿病や糖尿病予備軍があることから、心臓病の予防には、糖尿病対策が一番大切となっています。心臓病は、早期発見で治療成績が良いのですが、実際は、心臓発作を起こしてから心臓病専門医に送られてくることが多く、治療成績が上がりません。糖尿病予備軍だけの段階から心臓病の検診をすることが必要です。

われわれが目指すもの

当院には、循環器専門医と糖尿病担当医が常に連携して診療に当たれるという特色があります。私どもは、糖尿病診療が心臓病の予防と早期発見につながることを掲げて、毎日の診療に当たっています。従来型の糖尿病診療の拡大を目指さず、あくまでも循環器専門病院としての糖尿病診療という特色で、地域医療に貢献できたらと願っています。今後ともよろしくお願い申し上げます。

血糖値を下げるウォーキングのポイント

血糖値を下げるウォーキングのポイントのイメージ

糖尿病来院患者数

HbA1c検体数の推移

HbA1c 検体数からみた糖尿病来院患者数を示します。毎月、来院患者さまの数は増加し、1年間でほぼ2倍になっています。私どもの糖尿病への取り組みが、皆様にご理解いただけた結果と自負しています。しかし、糖尿病診療の本来の目的は長期にわたる合併症の予防にあります。
患者さまの増加によって、診療内容に低下が見られるようでは意味がありません。合併症のない患者さまの割合が増え、危険域の患者さまが少しでも減少するように、より効率的で有用な合併症予防対策を打ち出してまいります。
今後とも私どもスタッフにご支援、ご指導よろしくお願い申し上げます。

碩心館病院糖尿病教室スタッフー同

医師紹介

医師藤本 卓ふじもと たかし

藤本 卓

出身大学

自治医科大学医学部卒業

経歴

徳島大学第二内科
徳島県立中央病院
徳島県立海部病院
徳島県立出羽島診療所
木沢診療所
木屋平診療所
徳島県立海部病院

専門

糖尿病療養指導医

医師岩﨑 優いわさき ゆう

岩﨑 優

出身大学

徳島大学医学部卒業

経歴

徳島赤十字病院(2008~2014年)
高知赤十字病院(2015~2016年)
徳島赤十字病院(2017~2023年)
2024年4月より現職

専門

日本内科学会認定内科医 総合内科専門医
日本糖尿病学会専門医