インフルエンザ予防接種の間隔と回数|1回・2回の効果の違いと子どもの接種基準

インフルエンザワクチンの接種間隔について知っておきたいこと

インフルエンザワクチンを接種してから、体内で抗体が作られるまでにはおおよそ 2週間 ほどかかるとされています。
特に、初めてワクチンを受けるお子さんや接種歴がはっきりしない場合には、1回目の接種から少なくとも 4週間以上の間隔をあけて2回目を行う ことが望ましいとされています。
この「4週間以上あける」という接種間隔は、世界保健機関(WHO)をはじめとする国際的な基準にも沿った考え方です。

お子さんのインフルエンザワクチンは何回必要?

「インフルエンザワクチンは毎年2回打たなければいけませんか?」

というご相談を多くいただきます。
2025年現在の国際的な方針では、ほとんどのお子さんは1年に1回の接種で十分な効果が得られるとされています。
ただし、これまで毎年2回の接種を継続してきた場合は、そのまま2回受けていただいても問題はありません。

世界的な接種ルールと日本の位置づけ(WHO・ACIPより)

世界保健機関(WHO)と、アメリカ疾病予防管理センターの予防接種諮問委員会(ACIP)は、次のような指針を示しています。

対象 推奨回数 推奨間隔
初めてワクチン接種/接種歴が不明 2回 1回目から 4週間以上 あけて2回目を実施
これまでに2回以上接種したことがある 1回 毎年1回の接種で十分とされる

この考え方は世界的に広く取り入れられており、1回の接種でも十分な免疫が得られることが複数の研究で明らかになっています。

1回接種と2回接種、どちらがより効果的?安全性の比較

「これまでに複数回ワクチンを受けたことのあるお子さんでは、1回の接種でも十分な免疫が得られることが研究で明らかになっています。
一方で、2回接種を行うことで抗体がより安定して維持されやすいという報告もあります。
そのため、

  • 「確実に備えたい」「試験や大会を控えている」などのケースでは → 2回接種がおすすめ
  • 「すでに接種歴がある」「副反応の負担を減らしたい」場合は → 1回接種でも十分

といった判断が妥当です。
なお、副反応の内容や発生頻度は、1回接種と2回接種で大きな差はないとされています。

日本と海外のワクチン接種方針のちがい

日本ではこれまで、集団全体の感染拡大を防ぐことや流行期間の長さを考慮し、長らく「年2回の接種」を推奨してきました。
それに対し、海外では初回のみ2回接種を行い、その後は毎年1回で十分とする考え方が一般的です。
さらに、2025年には日本国内でも、

「1回の接種で2回接種とほぼ同等の効果が得られる」

とする研究結果(PMID 40578174)が報告されており、国内の方針も徐々に見直されつつあります。

ご家庭で接種回数を選ぶ際の目安

  • これまでに2回以上の接種歴があるお子さん → 1回の接種でも十分な効果が期待できる
  • 接種経験が少ない、あるいは初めてワクチンを受ける場合 → 1回目から4週間以上あけて2回接種が推奨

どちらの選択でも問題はありませんが、もっとも大切なのは、接種の間隔を4週間以上確保することです。
ご不明な点や判断に迷う場合は、当院医師や看護師までお気軽にご相談ください。

まとめ:間隔を守ることで確かな予防効果を

世界保健機関(WHO)と、アメリカ疾病予防管理センターの予防接種諮問委員会(ACIP)は、次のような指針を示しています。

項目 内容
対象年齢 生後6か月〜12歳程度
接種回数 初回は2回、その後は毎年1回が目安
接種間隔 1回目の接種から4週間以上あけるのが望ましい
抗体形成まで 接種後おおよそ2週間前後
接種タイミング 10月〜12月頃(流行期の前)

予防接種やご相談は碩心館病院までお気軽にどうぞ

碩心館病院では、年齢やこれまでの接種歴に応じて、インフルエンザワクチンの接種を実施しています。
接種のタイミングや回数についてご不安がある方は、医師が個別にご相談を承ります。

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医師紹介

医師矢野 勇大やの ゆうだい

矢野 勇大

ごあいさつ

平成19年に徳島大学を卒業し、徳島赤十字病院で循環器内科や救急を、亀田総合病院、成田赤十字病院で総合内科、感染症のトレーニングを積んでまいりました。そこで培った知識を患者さんに還元してまいります。お気軽にお声掛けください!

出身大学

徳島大学医学部卒業

経歴

徳島赤十字病院循環器内科
亀田総合病院総合内科
亀田総合病院感染症科
成田赤十字病院感染症科 副部長
成田赤十字病院腫瘍内科
徳島大学医学部講師

専門

総合内科(生活習慣病、予防医療)、感染症

資格

日本感染症学会感染症専門医
日本内科学会認定内科医 総合内科専門医
日本内科学会指導医
ICD(インフェクションコントロールドクター)
国際渡航医学会 Certificate in Travel Health
内科指導医
臨床研修指導医